確かに160キロをマークし、150キロ台の速球を連発していた21日の盛岡四戦に比べ、24日の一関工戦では立ち上がりの2イニングこそ150キロ台の直球を連発したが、リードを奪った3回以降は球速を140キロ台に落としていた。また、この試合では本来クイックの速い佐々木が、相手走者から4度の盗塁を企図された。
張本氏が佐々木についてコメントしたのは21日、TBS系テレビ「サンデーモーニング」のスポーツコーナーでのもの。18日の岩手県大会3回戦・一戸戦(花巻)で6回参考記録ながら13三振を奪う無安打無得点投球を披露した佐々木について「素質は大変なモノですけど、ちょっとプロに入ったら、直されるかも分からんね。左足を上げすぎて120、130球投げると疲れる」と指摘した。
これを受けて敏感に反応しているのが、連日、岩手大会に足を運び佐々木を追いかけているネット裏の日米スカウト、編成担当者たち。あるNPB球団スカウトは「立場上、張本さんが話題の人物について何かコメントしなければいけないのは分かりますが、ちょっと勉強不足なコメントだと言わざるを得ない。そもそも打者の張本さんに投手の技術的な分析ができるんでしょうか?」と苦笑い。
また別のNPB編成担当は「佐々木君のフォームはプロの投手がマネしたくてもできないほれぼれするもの。左足をあれだけ高く上げても軸が全くブレず、力も入っていない柔らかさがある。体重移動も理想的でヒジの使い方も昨年から比べてだいぶコンパクトになってきている。彼の体の特性を最大限生かした理想的なフォームを第三者の思惑でいじったりしたら、それこそ野球界の損失につながる」と反論する。
もちろん選手それぞれの個性を尊重するMLBスカウトの意見も同じで「あの流れるようなフォームで投げているボールがすべての答え。それを第三者が変えてしまう権限は誰にもない」と張本氏に“喝”を入れていた。
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