28日午前11時半頃、福井県美浜町竹波の海岸付近で、「男性がイルカに水中へ引きずり込まれそうになっている」と通行人から110番があった。駆けつけた敦賀署員が、名古屋市の20歳代男性が左腕をかまれて擦り傷を負い、自力で逃れたのを確認した。同署の発表では、男性は知人と海水浴に訪れ、イルカを見つけて抱きつこうとしたという。県警は注意を呼びかけている。
福井県内では昨年夏、海水浴客らがイルカにかまれる被害が相次いだ。
石田雅彦ライター、編集者
野生のイルカの群れは母系集団で、若いオスは群れを出てオスだけの集団を作ります。こうした若いオスは気が荒く、攻撃的で、固い口先でアタックしたり、糞をまき散らすなど、人間にも敵対することが報告されています。野生のイルカは、噛みついたり、攻撃したり、尻尾や鼻で叩いたり、海で近づいてきた人間を水中に引きずり込んで溺死させたりすることが希にあります。そうした不運な出会いによって、人間が傷いたり殺されることもあります。固い口先で攻撃されると内臓損傷により死亡することもあり、尾ビレによる打撃で負傷を負うこともあります。野生のイルカを保護するための規制は数多くありますが、イルカと接触する際に人間の安全を確保するための規制、ガイドライン、保護措置はありません。野生のイルカとの接触について、何らかの規制、注意喚起などが必要と思います。