サウナは「百害あって一利なし」? 失神から脳卒中まで…若者でも救急搬送されている“不都合な真実“ #AERAdot #AERA https://t.co/tccpcBN2A1
— AERA dot. (アエラドット) (@dot_asahi_pub) September 30, 2023
福島県のある消防組合の調査で、サウナを利用して救急搬送された人の半数以上に持病があることがわかった。入院が必要になったケースもあるという。サウナの健康への効果について完全否定する医師は、「こうした危険な事例は氷山の一角」と厳しい見方を示す。空前のサウナブーム。サウナ→水風呂→休憩で「ととのう」、いわゆる「サ活」にハマる人が続出しているが、その一方で、体調不良を起こし救急搬送されるケースも少なくない。今年6月には、栃木・日光の屋外サウナ施設で、サウナ後、冷水浴のために池に飛び込んだ20代の男性が死亡した。
この事故をきっかけに、サウナの搬送事例の調査をしたのは福島県の郡山地方広域消防組合。サウナに特化した調査は全国的にも珍しいという。
同組合によると、管轄する4市町では2022年までの10年間で101人がサウナ利用中に救急搬送され、このうち半数を超える56人に高血圧などの持病があった。
搬送理由は「失神や意識障害」が最多の30人。サウナ内で倒れたり、水風呂で溺れたりする危険な状態だ。続いて「熱中症や脱水症」が24人。脳梗塞などの脳疾患もあった。入院が必要な重症事例もあったという。年齢別では70代が36人、60代が26人、50代が11人と高齢者の搬送事例が目立った。
(略)
首都圏で、「サ活」で人気になっている施設のある消防本部に聞くと、「営業妨害になるので自治体名は伏せてほしい」と前置きしつつ、サウナ利用者の救急搬送が少なくないとし「ブームの一方で、利用の仕方によっては危険だということが周知されていないのではないか」と話した。
こうした調査結果などを見て、「やっぱりなという印象。搬送された人数は氷山の一角でしょう」と話すのは疲労の専門家で「東京疲労・睡眠クリニック」院長の梶本修身医師だ。
サウナの健康効果について「健康に百害あって、一利くらいならかろうじてあるかもしれない」と、完全否定派の立場だ。サウナ好きの筆者には耳が痛いが、ブームの裏には“不都合な真実”もあるのだろう。
梶本医師は、
「サウナのような高温の場所は自然界にはなく、そもそも人間は適応力をもっていません。水風呂も、人間は冷たい水の中で生活する経験をしていません。さらに、サウナと水風呂ほどの温度差も自然界にはないので、人間はそうした環境への適応力を備えていないのです」と指摘する。
40度以上の温泉に入りながらウトウトと寝てしまうと、筋肉が固まり壊れる「悪性高熱症」となることがあります。
頻脈や不整脈、代謝性アシドーシス、血圧不安定、呼気炭酸ガス分圧上昇・低酸素血症などが出現します。その後急激な体温上昇(15分間に0.5℃以上、40℃以上の体温)が始まります。ひどいときは1、2時間も意識を無くしてしまう、致命的な症状にも陥ります。
まさかサウナの高温で眠ってしまうことはないでしょうが、温泉の2倍以上の高温ですから、絵空事ではない「サウナの高温のリスク」があることを肝に銘じておきましょう。